SceneBuilderで独自クラスを使うには
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いずれ改善されるとは思いますが、現在この記事に執筆時点のSceneBuilder(8.2.0)では
JDK付属のクラス以外を扱えません。つまりクラスパスを拡張できません。
かつては クラスパスを指定する方法があったらしいのですが、現在では不可能です。
何が問題かというと、例えば ChoiceBox や ComboBox レベルの比較的単純なコントロールでさえ、 少々凝ったことをしようとすると、独自のリストセルクラス、独自のセルファクトリクラスやコンバータークラスが 必要になります。
ChoiceBox や ComboBoxのリスト項目として、String型だけではなく、独自の Enum型などの独自クラスのオブジェクトを セットできるようになっています。
こうしたことはFXMLで記述することは可能なのですが、FXML内に JDK以外のクラスが混じると、 SceneBuilder で FXMLファイルが開けなくなってしまいます。これは大変困ります。
この記事では、この問題の対処方法を記述します。
カスタムコンポーネントの追加機能
実は SceneBuilder には利用者が独自に開発した JAR や FXML を登録する機能があります。SceneBuilder の左上の部分にカスタムコンポーネントを表示するエリアがあります。
ここに JAR を登録するには下図のメニューから、JAR/FXML Manager を使います。 メニューを選ぶとファイルの選択ダイアログが現れ、JARを登録することができます。
ここで登録した JAR は
C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Scene Builder\Library
にコピーされます(Windows版 8.2.0の場合)。
つまりここに SceneBuilder で使いたいクラスが入った JAR を置けばよいわけです。
対処方法
以下の対処方法は Windows の場合です。
まず、JavaFX のアプリをビルドする際、Jarを作るようにします。IntelliJ IDEA では Artifact を追加すればよいですし、Gradleベースのプロジェクトなら最初からJarは作られるようになっているでしょう。
次に、 C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Scene Builder\Library にその Jar へのシンボリックリンクを置くのです。 作成は mklink コマンドがお手軽です。
シンボリックリンクの作成例(IntelliJ IDEA の場合)
cd C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Scene Builder\Library mklink Effects.jar C:\javafx_svn_projects\Effects\out\artifacts\Effects_jar\Effects.jar
mklink の実行には管理者権限が必要です。
これで、アプリ独自クラスを含む FXMLファイルが SceneBuilder で開けるようになります。
様々なアプリの Jar が一つのフォルダに混在することになりますが、パッケージをきちんと管理していれば クラスが衝突して混乱することはないはずです。
かなり面倒ではありますが、編集できなくなるよりはずっとましです。シンボリックリンクを GUI で簡単に作れる ツールやエクステンションを導入しておくと少しは楽ができると思います。