「幾何学単位系」の版間の差分
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時間の単位が m になったので、時間は <math>c</math> 倍になり、速度は <math>\frac{1}{c}</math>になります。 | 時間の単位が m になったので、時間は <math>c</math> 倍になり、速度は <math>\frac{1}{c}</math>になります。 | ||
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2015年6月27日 (土) 01:26時点における版
はじめに
物理や我々の生活の中で使われる単位系は、今や SI単位系(MKSA単位系)が普通ですが、SI単位系は人間がその生活の中で決めた単位を含んでおり、 物理学に本来不要な換算係数を持ち込むという欠点があります。
ここで紹介する幾何学単位系は、相対性理論の成果を取り込み、相対性理論の式を非常に単純化する単位系です。
幾何単位系の特徴
幾何学単位系の特徴は、何といっても単位に m(メートル) しか出てこないことです。なんと、時間も質量も運動量もエネルギーも単位は m になり、他の単位も全て m で記述されます。
幾何学単位系の詳細
幾何学単位系は 重力定数、光速、クーロンの法則の係数 が 無次元の 1 になるように工夫された単位系です。
幾何単位系では単位の中に 基本単位として距離の単位である m(メートル) しか出てきません。
ここでは、単位の次元を表す際、距離の単位 m は L と表記することとします。
また、記号 c はSI単位で表した光速を表し , 記号 G はSI単位で表した重力定数
を表すこととします。
長さ
SI と同じ m で表されます。何も変わりません。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
![]() |
![]() |
L |
時間
相対性理論の成果を取り入れ、時間と長さは同じ単位になるべきものと考えます。
幾何単位系では 1秒は、その時間での光の飛行距離、つまり m とします。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
![]() |
![]() |
L |
質量
一般相対性理論の成果より、SI単位系での質量とシュバルツシルト半径との関係は
![]() |
この式をそのまま幾何学単位系でも採用し、c=G=1 とすると
![]() |
従って、質量はシュバルツシルト半径の半分になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
![]() |
![]() |
L |
速度
時間の単位が m になったので、時間は 倍になり、速度は
になります。
つまり速度は無次元量になり、光速との比になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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無 |