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座標の回転を表現する方法には様々な方法がありますが、座標軸を3回回転させるオイラー角が最もポピュラーな方法です。 | 座標の回転を表現する方法には様々な方法がありますが、座標軸を3回回転させるオイラー角が最もポピュラーな方法です。 | ||
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図中の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e_1}</math>, <math>{\boldsymbol e_2}</math>, <math>{\boldsymbol e_3}</math>は、座標系の回転を行う前の座標系 xyz座標系の、x, y, z軸の方向ベクトルです。 | 図中の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e_1}</math>, <math>{\boldsymbol e_2}</math>, <math>{\boldsymbol e_3}</math>は、座標系の回転を行う前の座標系 xyz座標系の、x, y, z軸の方向ベクトルです。 | ||
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− | Z-Y-Z オイラー角では、次に、Y'軸(<math>{\boldsymbol e^{'}_2}</math>) | + | Z-Y-Z オイラー角では、まず、z軸(<math>{\boldsymbol e_3}</math>)を軸の正方向に対して右に <math>\phi</math>だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが <math>{\boldsymbol e^{'}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'}_3}</math>です。 |
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+ | Z-Y-Z オイラー角では、次に、Y'軸(<math>{\boldsymbol e^{'}_2}</math>)を軸の正方向に対して右に <math>\theta</math>だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが <math>{\boldsymbol e^{''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{''}_3}</math>です。 | ||
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これで、<nowiki>Z''軸</nowiki>(<math>{\boldsymbol e^{''}_3}</math>)の向きが定まります。<nowiki>Z''軸</nowiki>の向きは、xyz座標系において、<math>\phi</math>と<math>\theta</math>で表される極座標のベクトルの向きと一致しています。 | これで、<nowiki>Z''軸</nowiki>(<math>{\boldsymbol e^{''}_3}</math>)の向きが定まります。<nowiki>Z''軸</nowiki>の向きは、xyz座標系において、<math>\phi</math>と<math>\theta</math>で表される極座標のベクトルの向きと一致しています。 | ||
− | Z-Y-Z オイラー角では、最後に、<nowiki>Z''軸</nowiki>(<math>{\boldsymbol e^{''} | + | |
+ | Z-Y-Z オイラー角では、最後に、<nowiki>Z''軸</nowiki>(<math>{\boldsymbol e^{''}_3}</math>)を軸の正方向に対して右に <math>\psi</math>だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが <math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math>です。 | ||
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この<math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math>がオイラー角による回転後の座標系の座標軸の方向ベクトルです。 | この<math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math>がオイラー角による回転後の座標系の座標軸の方向ベクトルです。 | ||
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この回転で、元の座標軸の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e_1}</math>, <math>{\boldsymbol e_2}</math>, <math>{\boldsymbol e_3}</math>を回転後の座標系の座標軸の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math>へ移す行列は | この回転で、元の座標軸の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e_1}</math>, <math>{\boldsymbol e_2}</math>, <math>{\boldsymbol e_3}</math>を回転後の座標系の座標軸の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math>へ移す行列は | ||
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+ | になります(<math>R_{euler}(\phi, \theta, \psi)_{ij}</math>は<math>R_{euler}(\phi, \theta, \psi)</math>の<math>i</math>行<math>j</math>列の要素)。 | ||
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+ | 座標系 <math>{\boldsymbol e^{'''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{'''}_3}</math> でのベクトル<math>{\boldsymbol A}</math>の成分<math>\left( \begin{array} {c} A^{'''}_1 \\ A^{'''}_2 \\ A^{'''}_3\end{array}\right)</math>を | ||
+ | 座標系 <math>{\boldsymbol e_1}</math>, <math>{\boldsymbol e_2}</math>, <math>{\boldsymbol e_3}</math>の成分<math>\left( \begin{array} {c} A_1 \\ A_2 \\ A_3\end{array}\right)</math>へ変換する式は、<math>R_{euler}(\phi, \theta, \psi)</math>の逆行列(=転置)を使って | ||
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+ | \left( \begin{array} {c} A_1 \\ A_2 \\ A_3\end{array}\right) = | ||
+ | {}^t\!R_{euler}(\phi, \theta, \psi) | ||
+ | \left( \begin{array} {c} A^{'''}_1 \\ A^{'''}_2 \\ A^{'''}_3\end{array}\right) | ||
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+ | となります。 |
2015年8月5日 (水) 05:25時点における最新版
座標の回転を表現する方法には様々な方法がありますが、座標軸を3回回転させるオイラー角が最もポピュラーな方法です。 オイラー角には、回す座標軸の順番によって12種類のバリエーションがあります。飛行機の姿勢を示すのに用いられ、z, y, x軸の順に座標軸を回転させるヨー・ピッチ・ロールは非常に有名ですが(航空業界で用いられているものは、角度の符号が異なります)、ここでは物理で剛体の回転の説明などで使われる Z-Y-Z オイラー角を説明します。
物理や数学で、Z-Y-Z オイラー角が用いられる理由の一つとしてあげられるのは、Z軸の倒し方が、3次元極座標のやり方と一致している点でしょう。
図中の方向ベクトル, , は、座標系の回転を行う前の座標系 xyz座標系の、x, y, z軸の方向ベクトルです。
Z-Y-Z オイラー角では、まず、z軸()を軸の正方向に対して右に だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが , , です。
Z-Y-Z オイラー角では、次に、Y'軸()を軸の正方向に対して右に だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが , , です。
これで、Z''軸()の向きが定まります。Z''軸の向きは、xyz座標系において、とで表される極座標のベクトルの向きと一致しています。
Z-Y-Z オイラー角では、最後に、Z''軸()を軸の正方向に対して右に だけ回します。こうして得られた新しい座標系の座標軸の方向ベクトルが , , です。
この, , がオイラー角による回転後の座標系の座標軸の方向ベクトルです。
この回転で、元の座標軸の方向ベクトル, , を回転後の座標系の座標軸の方向ベクトル, , へ移す行列は
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( 2 ) |
になります(はの行列の要素)。
座標系 , , でのベクトルの成分を
座標系 , , の成分へ変換する式は、の逆行列(=転置)を使って
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となります。