「相対性理論は誤っている」の版間の差分
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特殊相対論によれば、時刻と空間上の位置の変換(ローレンツ変換)は単純な線形計算であり、2つの座標系での事象の関係は完全に 1:1 に対応するため、矛盾が入り込む余地はありません。 | 特殊相対論によれば、時刻と空間上の位置の変換(ローレンツ変換)は単純な線形計算であり、2つの座標系での事象の関係は完全に 1:1 に対応するため、矛盾が入り込む余地はありません。 |
2016年3月8日 (火) 11:06時点における版
このサイト「相対性理論は誤っている」は
比較的単純な思い込みに基づく相対性理論の批判です。
特殊相対性理論の基本的な考え方に「同時性の不一致」がありますが、 物理に詳しい方でも、これを正しく理解されている方は意外に少なく、 このサイトの説明に反論できない方も多いようです。
相対性理論への反論の骨子
このサイトの論理は単純です。
まず、下図のように、右方向へ高速で走る列車の中で、乗客Aが、自分とは列車の進行方向に対し、 垂直方向にいる乗客B に光を投射します。
図のように、列車内で光が飛ぶ距離ABは、外で静止している観測者が見る、光の飛ぶ距離(AB')より 短くなります。光速度不変の原理により、列車内でAB間を光が飛ぶのにかかる時間 より、外で静止している観測者が、光がAB'間を飛ぶのにかかる時間 の方が 長くなります。つまり
( 1 ) |
おなじみの 運動する物体の時計は遅れる はこの思考実験から得られるものです。
図1 列車内で光を進行方向とは垂直に飛ばす場合 |
次に、下図のように、右方向へ高速で走る列車の中で、今度は前の方に座っている乗客Aが、自分とは 斜め後ろ方向にいる乗客B へ光を投射します。図からわかるように、今度は外で静止している観測者が見る、光の飛ぶ距離 の方が短くなりますので、光速度不変の原理により、
( 2 ) |
図2 列車内で光を進行方向とは斜め後ろに飛ばす場合 |
本当はローレンツ短縮を考慮に入れなければなりませんが、それは をますます小さくする方向なので 問題ありません。
以上2つの実験は、乗客Aの位置と光の投射方向が違うだけで、同じ列車を使っています。 それなのに、異なる結果が出るのはおかしい というのがこのサイトの主張です。
何が間違っているのか
このサイトを一読すると、最初は論理に隙が無いように思えます。しかし、このサイトの主張の穴は最後の結論にあります。つまり
「以上2つの実験は、乗客Aの位置と光の投射方向が違うだけで、同じ列車を使っています。 それなのに、異なる結果が出るのはおかしい」
という主張が正しいとしているところです。なぜおかしいと思うのかの説明はありません。 盲目的におかしいおかしいと繰り返しているだけです。
本当に正しいのでしょうか?
光の投射方向にによって、 となったり、 と なるするのはおかしいことなのでしょうか?
結局この点がはっきりしない限り、間違っているか正しいかわからないのです。おかしいというからには 何か矛盾を含んでいなければなりません。
特殊相対論からいえること
特殊相対論からいえることは、このサイトの主張通り、 となるか、 となるかは、時刻差を測るための2つの事象の位置が影響を与えます。
特殊相対論によれば、時刻と空間上の位置の変換(ローレンツ変換)は単純な線形計算であり、2つの座標系での事象の関係は完全に 1:1 に対応するため、矛盾が入り込む余地はありません。
動くものの時計が遅れるという現象は、動くものと一緒に動く、つまりこの例では列車中で静止していて一緒に動く時計の時刻を 外の静止した観測者から観測した場合の話なのです。列車の中の、列車の進行方向に距離の離れた二人の乗客間の時刻差では このことは成り立ちません。
これは光速度不変の原理から導かれる同時性の不一致という時間の性質から説明できます。
以下、鋭意作成中