「幾何学単位系」の版間の差分
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2016年7月13日 (水) 06:00時点における版
はじめに
物理や我々の生活の中で使われる単位系はSI単位系(MKSA単位系)が普通ですが、SI単位系は人間がその生活の中で決めた単位を含んでおり、 物理学に本来不要な換算係数を持ち込むという欠点があります。
ここで紹介する幾何学単位系は、相対性理論の成果を取り込み、相対性理論の式を非常に単純化する単位系です。
幾何単位系の特徴
幾何学単位系の特徴は、何といっても単位に m(メートル) しか出てこないことです。なんと、時間も質量も運動量もエネルギーも単位は m になり、他の単位も全て m を使って記述されます。
幾何学単位系の詳細
幾何学単位系は 重力定数、光速、クーロンの法則の係数 が 無次元の 1 に(
に)なるように工夫された単位系です。
とする流儀もありますが、それは随時補足します。
幾何学単位系では単位の中に 基本単位として距離の単位である m(メートル) しか出てきません。
ここでは、単位の次元を表す際、習慣に従って距離の単位 m は L と表記することとします。
記号 はSI単位で表した光速
記号 はSI単位で表した重力定数
記号 はSI単位で表した真空の誘電率
を表すこととします。
長さ
SI と同じ m で表されます。何も変わりません。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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時間
相対性理論の成果を取り入れ、時間と長さは同じ単位になるべきものと考えます。
幾何単位系では 1秒は、その時間での光の飛行距離、つまり m とします。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
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質量
一般相対性理論の成果より、SI単位系での質量とシュバルツシルト半径との関係はSI単位系では
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この式をそのまま幾何学単位系でも採用し、c=G=1 とすると
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従って、質量はシュバルツシルト半径の半分になります。
シュバルツシルト半径ではなく、その半分と定義していることに注意!
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
![]() |
![]() |
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速度
時間の単位が m になったので、時間は 倍になり、速度は
倍になります。
つまり速度は無次元量になり、光速との比になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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![]() |
無 |
加速度
時間の単位が m になったので、時間は 倍になり、加速度は
倍になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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力
は幾何学単位系では
なので
になりますが、質量と長さがともに単位が m になるので力は無次元量になります。
質量は 倍になることを考慮すると、力は
倍 になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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無 |
電荷
SI単位系でのクーロンの法則は は幾何学単位系では
なので
になりますが、力が無次元量なので電荷の単位は m になります。
力が 倍になり、
になることを考慮すると、電荷は
倍 になります。
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
---|---|---|
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の流儀では
SIからの換算係数 | SIへの換算係数 | 次元 |
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