「座標変換と回転」の版間の差分
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{{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_3}=R^'_{31}{\boldsymbol e^'_1}+R^'_{32}{\boldsymbol e^'_2}+R^'_{33}{\boldsymbol e^'_3}</math>|14}} | {{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_3}=R^'_{31}{\boldsymbol e^'_1}+R^'_{32}{\boldsymbol e^'_2}+R^'_{33}{\boldsymbol e^'_3}</math>|14}} | ||
− | + | <nowiki>x''y''z''</nowiki> 座標系の座標軸の方向ベクトル<math>{\boldsymbol e^{''}_1}</math>, <math>{\boldsymbol e^{''}_2}</math>, <math>{\boldsymbol e^{''}_3}</math>を'''xyz座標系の成分'''で表すと、 | |
{{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_1}=R^{''}_{11}{\boldsymbol e_1}+R^{''}_{12}{\boldsymbol e_2}+R^{''}_{13}{\boldsymbol e_3}</math>|15}} | {{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_1}=R^{''}_{11}{\boldsymbol e_1}+R^{''}_{12}{\boldsymbol e_2}+R^{''}_{13}{\boldsymbol e_3}</math>|15}} | ||
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{{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_3}=R^{''}_{31}{\boldsymbol e_1}+R^{''}_{32}{\boldsymbol e_2}+R^{''}_{33}{\boldsymbol e_3}</math>|17}} | {{eqn|<math>{\boldsymbol e^{''}_3}=R^{''}_{31}{\boldsymbol e_1}+R^{''}_{32}{\boldsymbol e_2}+R^{''}_{33}{\boldsymbol e_3}</math>|17}} | ||
− | <math>(R^'_{ij})=R^', (R^{''}_{ij})=R^{''}</math> | + | <math>(R^'_{ij})=R^', (R^{''}_{ij})=R^{''}</math>とし、これに式(3), (4), (5)を代入し、(12), (13), (14) に代入して注意深く行列を地道に計算して (15), (16), (17)と比較すると |
{{eqn|<math>R^{''} = R^'R</math>|18}} | {{eqn|<math>R^{''} = R^'R</math>|18}} |
2015年6月12日 (金) 08:24時点における版
座標系の定義
座標というのは空間上に定められた目盛のというか定規のようなものと考えてよいでしょう。ここではデカルト座標(直交座標)に話を絞ります。
内積が定義されたのベクトル空間があるとします。
基準となる原点と、X, Y, Z方向を下の図のように定めるとデカルト座標をひとつ定義できます。
図の点Oが座標の原点を表します。, , は、x軸, y軸, z軸の方向を表す方向ベクトル(単位ベクトル)で、デカルト座標なので互いに直交しています。は、が回転してに向くとき、その回転に対して右ネジの方向に定めます。ようするに となるわけで、これを「右手系」といいます。
デカルト座標上での点の位置 の座標値(成分)は
( 1 ) |
と定義します。つまり、 という関係になります。
座標軸の方向ベクトルの変換
次に原点が一致する2つの異なるデカルト座標系の座標変換を考えます。
図には xyz座標系と x'y'z' 座標系の2つが示されていますが , , が xyz座標系の座標軸の方向ベクトルを、, , が x'y'z'座標系の座標軸の方向ベクトルを表しています。
( 2 ) |
とし、x'y'z' 座標系の座標軸の方向ベクトル, , をxyz座標系の成分で表すと、
( 3 ) |
( 4 ) |
( 5 ) |
これは以下のように略記できます。
( 6 ) |
ここで を行列の要素に持つ行列を と書くことにしましょう。
この は座標系の座標軸方向ベクトルを別の座標軸方向ベクトルへ移すための行列です。の各行ベクトルは x'y'z'座標系の座標軸の方向ベクトルを xyz座標系の成分で表したものですから、各行ベクトルの大きさは1であり、各行ベクトルは互いに直交することは明らかでしょう。また逆変換は とを入れ替えた、つまり転置になることは明らかなので、 とすると
( 7 ) |
になります。
ベクトル を2つの座標系の成分で表すと
( 8 ) |
両辺に をかけると
( 9 ) |
これを省略せずにすべて書くと
( 10 ) |
つまり、行列は xyz座標系での座標の成分をx'y'z'座標系の成分に変換する行列でもあります。
座標軸の方向ベクトルの変換の合成
x'y'z'座標系の軸の方向ベクトルを、さらにもう一つの座標系 x''y''z'' の軸方向ベクトルに変換することを考えます。
, , が x''y''z''座標系の座標軸の方向ベクトルを表しているとすると
( 11 ) |
とし、x''y''z'' 座標系の座標軸の方向ベクトル, , をx'y'z'座標系の成分で表すと、
( 12 ) |
( 13 ) |
( 14 ) |
x''y''z'' 座標系の座標軸の方向ベクトル, , をxyz座標系の成分で表すと、
( 15 ) |
( 16 ) |
( 17 ) |
とし、これに式(3), (4), (5)を代入し、(12), (13), (14) に代入して注意深く行列を地道に計算して (15), (16), (17)と比較すると
( 18 ) |
になります。これはなかなか美しい関係です。すなわち、, , を, , へ移す行列は各段階での座標軸ベクトルを移す行列の積になります。
座標軸を移す行列の例
方向ベクトル, , に対し、, , が xyz座標系のz軸正方向に右ネジに回転する場合、座標軸ベクトルを移す行列は
( 19 ) |
となります。
同様に、方向ベクトル, , に対し、, , が xyz座標系のy軸正方向に右ネジに回転する場合、座標軸ベクトルを移す行列は
( 20 ) |
同様に、方向ベクトル, , に対し、, , が xyz座標系のx軸正方向に右ネジに回転する場合、座標軸ベクトルを移す行列は
( 21 ) |
注意深く見ると、これらの行列は、3次元の内積の幾何学的な性質で紹介した回転行列と形は同じで角度の符号が逆であることがわかります。これは、座標系の回転は座標成分の逆回転だからです。