「2次元の内積の幾何学的な性質」の版間の差分

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2014年10月26日 (日) 16:16時点における版

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2次元の内積の定義は簡単です。\({\bf a}=(a_1. a_2) \)、\({\bf b}=(b_1. b_2) \) とすると内積は

\[ {\bf a}\cdot {\bf b}=a_1b_1+a_2b_2  \tag{1} \]


この単純な定義からは信じられないことですが、内積には非常に美しい幾何学的な性質があります。

2次元の内積の幾何学的性質.png

ベクトル \(\bf a\) と \(\bf b\) を図のようにベクトルの長さと偏角 \(r_a, \alpha\)、\(r_b, \beta\) で、表すと、 それぞれのベクトルの \(x\)、 \(y\) 成分は \({\bf a} = (r_a\cos\alpha, r_a\sin\alpha)\)、\({\bf b} = (r_b\cos\beta, r_b\sin\beta)\) となります。従って内積は

\[ {\bf a}\cdot {\bf b}= r_a\cos\alpha \cdot r_b\cos\beta+r_a\sin\alpha \cdot r_b\sin\beta= r_a r_b(\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta) \tag{2} \]


となります。どこかで見た形ですよね? そう、角度の加法定理です。角度の加法定理で 紹介した定理を符号を注意して当てはめると、内積は

\[ {\bf a}\cdot {\bf b} = r_a r_b\cos(\beta-\alpha) \tag{3} \]

という単純かつ美しい式に変身します。式中に現れる \(\beta-\alpha\) はベクトル \(\bf a\) と \(\bf b\) がなす角度です。 つまり、内積はベクトル \(\bf a\) と \(\bf b\) が同じ向きの時 \(r_a r_b\) となり、正のもっとも大きな値になります。 \(\bf a\) と \(\bf b\) が垂直の時 \(0\) になります。


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