「ConoHa VPS に NextCloudを入れてみた」の版間の差分

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(NextCloudの簡単な歴史)
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==NextCloudの簡単な歴史==
 
==NextCloudの簡単な歴史==
  
元々 ownCloud の開発者で ownCloud社の設立者 Karlitschek 氏が、投資家と折り合いがつかなくなったため社を飛び出し、
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元々 '''DropBoxに似た、個人でも自前のサーバで使えるオンラインストレージ'''が、'''Karlitschek''' 氏等の手により '''ownCloud''' として開発されました。
氏が新たな会社 NextCloud社から提供しているサーバソフトがこの NextCloud です。
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NextCloudも DropBoxやownCloudと同様、オンラインストレージを提供するサーバソフトで php で書かれています。
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しかし設立者であるKarlitschek 氏等、と投資家の折り合いがつかなくなったらしく、彼らは ownCloud社を飛び出し、
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新たな '''NextCloud社'''が設立されました。
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この会社から提供しているサーバソフトがこの '''NextCloud''' です。
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'''NextCloud'''も DropBoxやownCloudと同様、'''オンラインストレージ'''を提供するサーバソフトで '''php''' で書かれています。
  
 
==インストールの準備==
 
==インストールの準備==

2016年11月29日 (火) 04:36時点における版

メインページ>コンピュータの部屋>ConoHa VPS を使ってみた


ConoH VPS に NextCloud をインストールしてみました。

NextCloud というのは ownCloud の親戚のソフトで、dropBoxサーバとよく似たオンラインストレージを提供する サーバソフトです。

Dropboxなどと同様、ブラウザを使ったファイルのアップロード/ダウンロードができるほか、 Windows PC とのフォルダ同期、androidや ios端末とのファイルのアップロード/ダウンロードと写真の自動バックアップ が行えます。

この他にカレンダーなどのいくつかのアプリケーションも提供するようです。

NextCloudの簡単な歴史

元々 DropBoxに似た、個人でも自前のサーバで使えるオンラインストレージが、Karlitschek 氏等の手により ownCloud として開発されました。

しかし設立者であるKarlitschek 氏等、と投資家の折り合いがつかなくなったらしく、彼らは ownCloud社を飛び出し、 新たな NextCloud社が設立されました。

この会社から提供しているサーバソフトがこの NextCloud です。

NextCloudも DropBoxやownCloudと同様、オンラインストレージを提供するサーバソフトで php で書かれています。

インストールの準備

LAMP環境があることが大前提です。この喜寿では Conoha VPS でそこそこ新しいLAMP環境の構築で作成した LAMP環境を使いました。

また、オンラインストレージなので、十分なセキュリティへの配慮が必須。SSL化は必須と言ってよいでしょう。 SSL化には証明書が必要です。

ConoHa VPS に SSL証明書を取得してみた や ConoHa VPS の apache がhttpを httpsへリダイレクトするようにしてみた を参考に設定してみてください。

NextCloudは基底で sqlite を使うので、小規模な運用なら MySQL は必須ではありません。 もしMySQLを使うなら

  1. データベースを作成して、データべ^ス名を控えておく。
  2. 上記データベースにログインでき、そのデータベースの全権を与えられたユーザを用意し、そのID/PASSを控えておく。

記事コマンドラインクライアント mysql の使い方が参考になるでしょう。MySQL Workbench で接続してグラフィカルに設定するなどしても もちろんOKです。

インストール

データフォルダの作成

私の VPS では大容量のパーティションは /data にマウントされています。

/var/www/html は別の比較的小さなパーティションの中なのでNextCloudのデータ領域には不適です。

私の VPS では

/data/nextcloud_data/data

を作成しました。nextcloud_data/dataのオーナは

cd /data
chown -R apache:apache nextcloud_data

で変更しておきました。

ダウンロードと展開

https://nextcloud.com/install/#instructions-server から zip ファイルでダウンロードできます。

2016年11月29日の時点では nextcloud10.0.0.1.zip がダウンロードできますが、私は以下の手順でインストール できました。

1. nextcloud10.0.0.1.zip を teraterm で VPS に SCP で転送。

2. nextcloud10.0.0.1.zip を /var/www/htmlに移動

3. シェルに root でログインし、/var/www/html へ移動

cd /var/www/html

4. nextcloudを解凍

unzip nextcloud10.0.0.1.zip

5. 所有者を変更

chown apache:apache nextcloud

初期設定

https://ホスト名/nextcloud/ にアクセスすると、初期設定画面が開きます。

以下の設定を行います。

  1. 管理者のユーザ名とパスワードを入力。
  2. データベースの選択。sqlite か MySQL を選びます。後者では、データベース名、ログインユーザ名/パスワードも入力します。
  3. NextCloud のデータフォルダ。私は /data/nextcloud_data/data と入力しました。

これだけです。とりあえずこれだけで一応起動します。


NextCloud001.png


インストール時の初期設定で指定した管理者の ID/PASS でログインすれば、即使えます。

NextCloud002.png

設定の修正

そのまま使えるかと思ったら、そうは問屋が卸しませんでした。Webの画面からファイルをアップロードしようとすると ファイルサイズが 2MB に制限されているのです。これでは使い物になりません。

よく調べてみると、NextCloud は .htaccess が使えることが前提になっていて、NextCloudフォルダの .htaccess で php のパラメータをいろいろ弄っているのです。

ConoHa の CENTOS6.6 の apache2.2 は既定で .htaccess を禁止する設定になっているので、これではうまくゆくわけ ありません。

しかし、全面的に .htaccess を許可するのも危ないので、 /etc/httpd.conf/httpd.conf の末尾に、以下の設定を 書き加えました。

#for NextCloud because NextCloud uses .htaccess
<Directory "/var/www/html/nextcloud">
    AllowOverride All
</Directory>

以上で、アップロードが行えるようになりました。2GBまでのサイズなら一応OKのようです。

残問題

残念ながら、NextCloudでは、巨大なファイルを Webブラウザを使ってアップロードする際、 ファイルを一次的にサーバのメモリに貯めるようです。

このため、私の借りているVPSのような MEM=2GB(残メモリ250MB) の貧弱な環境では、 大きなファイル(数百メガバイト)の転送失敗が 頻繁に起こります。

今のところ対応策は、もっとメモリの大きい VPS を借りるしかないようです。