「JDBCによる悲観ロックの落とし穴」の版間の差分

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#行の値を更新し排他ロックをかける。
 
#行の値を更新し排他ロックをかける。
  
問題点は更新ロックの寿命です。
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となっていて問題なさそうに見えますが、問題点は更新ロックの寿命です。
  
多くのDBでは、行ロックの更新ロックは、Isolation Level が READ COMMITED の場合カーソルの指す行のみがロックされ、
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多くのDBでは、行ロックの更新ロックは、Isolation Level が READ COMMITED の場合、カーソルの指す行のみがロックされ、
カーソルが別の行へ移ると元の行の更新ロックは解除されます。カーソルがクローズされれば更新ロックは当然残りません。
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カーソルが別の行へ移ると元の行の更新ロックは解除されます。カーソルがクローズされれば当然更新ロックは残りません。
  
 
Statement オブジェクトは executeXXX を実行すると、カーソルをクローズするため、上記のコードではレコードが排他ロックするまでの
 
Statement オブジェクトは executeXXX を実行すると、カーソルをクローズするため、上記のコードではレコードが排他ロックするまでの

2016年7月30日 (土) 03:19時点における版

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JDBCを使って悲観ロックでレコードを更新する場合、たまにこんなコードを見かけることがあります。

rsA = s.executeQuery("select name, balance from account where name='A' for update");
if (rsA.next()) {
    balanceA = rsA.getInt("balance");
    logger.debug("balanceA = " + balanceA);
} else {
    throw new Exception("行がありません");
}
s.executeUpdate(String.format("update account set balance=%d where name='A'", balanceA - 100));
logger.debug("update A");

conn.commit();

実は Isolation level が READ COMMITED では、これは悲観ロックになっていないのです。


コードでは、

  1. 更新モードでカーソルを取得
  2. カーソルの行の値を取得に更新ロックをかける。
  3. 行の値を更新し排他ロックをかける。

となっていて問題なさそうに見えますが、問題点は更新ロックの寿命です。

多くのDBでは、行ロックの更新ロックは、Isolation Level が READ COMMITED の場合、カーソルの指す行のみがロックされ、 カーソルが別の行へ移ると元の行の更新ロックは解除されます。カーソルがクローズされれば当然更新ロックは残りません。

Statement オブジェクトは executeXXX を実行すると、カーソルをクローズするため、上記のコードではレコードが排他ロックするまでの わずかな隙間時間に、レコードのロックがない期間が存在するのです。これではうまく動きません。

対処方法は2つあります。

  1. Isolation Level を REPEATABLE READ 以上にする。
  2. 以下のように、カーソルを使って行を更新する。
rsA = s.executeQuery("select name, balance from account where name='A' for update");
if (rsA.next()) {
    balanceA = rsA.getInt("balance");
    logger.debug("balanceA = " + balanceA);
    rsA.updateInt("balance", balanceA - 100);
    rsA.updateRow();
    logger.debug("update A");
} else {
   throw new Exception("行がありません");
 }