リモートリポジトリの巻き戻しが拒否される

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現象

リモートリポジトリに誤って登録したコミットを取り消したい場合は、 revert で打消しのコミットを登録するのがまっとうな方法です。 SCMは一度登録したものは取り消さないのが大原則で、登録したコミットを多くの人が 既にpullしていた場合、コミットの削除は大災害に発展する恐れがあるからです。

でも少人数でリポジトリを使っていて、最近誰も pull していないことがわかっているなら、 間違いで登録してしまったコミットはきれいさっぱりを削除したくなるのが人情でしょう。ごみは残したくないものです。

そういう場合は、ローカルリポジトリから

git reset HEAD~ --hard
git push -f

として、push で強制的にリモートのコミットを削除するのが定石ですが、

Total 0 (delta 0), reused 0 (delta 0)
remote: error: denying non-fast-forward refs/heads/master (you should pull first)
To C:/git-repos/remote
 ! [remote rejected] master -> master (non-fast-forward)
error: failed to push some refs to 'C:/git-repos/remote'


となってしまって -f(--force) を付けても push が拒否される場合があります。

原因

これは リモートリポジトリ を

git init --bare --shared

というように --shared オプション付きで作った場合、none-fast-forward な push が断固拒否される設定になっているからです。

--shared は複数の人間が供用するリモートリポジトリを作るオプションです。

一度 pull されたコミットがリモートリポジトリから削除されると大惨事を引き起こす可能性のあるという git の特性を考えると妥当な 設定と言えるでしょう。

下記はリモートリポジトリの config ファイルの中身で、denyNonFastforwards がその設定です。 true なら none-fast-forward な push は断固拒否されます。

[core]
        repositoryformatversion = 0
        filemode = false
        bare = true
        symlinks = false
        ignorecase = true
        sharedrepository = 1
[receive]
        denyNonFastforwards = true

対処法

対処方法は2つあります。よく考えて決めてください。

denyNonFastforwardsを false に設定する

リモートリポジトリの config ファイルの denyNonFastforwards の行を

denyNonFastforwards = false

とします。ただしこの設定では git push -f という危険な行為ができるようになってしまうのでご注意ください!!

直接リポジトリの configファイルを変更してもよいですが、リモートリポジトリに対して git コマンドで

git config receive.denyNonFastforwards false

としても同じことができます。

リモートサーバーからコミットを直接削除する

リモートサーバにログインして、リモートリポジトリに対して git コマンドを実行できる権限があるなら リモートリポジトリに対して、コマンドラインで

git reset HEAD~ --soft

を実行すれば、コミットを削れます。--soft を指定しないと リモートリポジトリでは git reset は実行できないことに 注意してください。また、リモートリポジトリに対して reset を行うことは、大変危険であることを自覚して行ってください!

この方法は だれでも禁断の git push -f を許すことにならないので、より安全な方法と言えるでしょう。