「角度の加法定理」の版間の差分
提供: tknotebook
1行: | 1行: | ||
[[Category:数学]][[Category:線形代数]][[category:回転]] | [[Category:数学]][[Category:線形代数]][[category:回転]] | ||
− | [[メインページ]]>[[数学の部屋 | + | [[メインページ]]>[[数学の部屋]] |
線形代数のカテゴリなのに角度の公式は少し不似合かもしれませんが、この公式は内積と深い関わり合いがあるのでこれを最初の話題にしておきます。 | 線形代数のカテゴリなのに角度の公式は少し不似合かもしれませんが、この公式は内積と深い関わり合いがあるのでこれを最初の話題にしておきます。 |
2015年7月10日 (金) 07:57時点における版
線形代数のカテゴリなのに角度の公式は少し不似合かもしれませんが、この公式は内積と深い関わり合いがあるのでこれを最初の話題にしておきます。 高校になると3角関数の公式として加法定理というのを習います。こんな公式です。
![]() |
( 1 ) |
![]() |
( 2 ) |
余弦定理などを使ってスマートに説明する方法もありますが、ここでは幾何学的な説明のみで加法定理を導いてみましょう。下の図を見てください。
図には原点が片方の端点で、長さが1で、軸とのなす角が
になる線分 OTがあります。
Tの座標は当然ながら
![]() |
( 3 ) |
です。OPの長さは ですから、Pの
座標は
。
TPの長さは
ですから、QPの長さは
。従って, T(とQ)の
座標は
![]() |
( 4 ) |
ORの長さは ですから、Rのy座標は
。
RTの長さは ですから、RSの長さは
従って, T(とS)のy座標は
![]() |
( 5 ) |
これで公式(1), (2)が正しいことが確かめられました。
もちろんこの説明は完全ではありません。αとβが鈍角になった時などで図形の形が変わるため、 念のためにそういう場合でも大丈夫か検証する必要があるからです。 厳密に証明したい人は、是非様々なパターンを網羅して、式の形が変わらないことを確認してみてください。
次ページ 2次元の内積の幾何学的な性質 へ